アンケートの結果をまとめる方法|手順や分析のポイント・注意点を解説
アンケート結果を集計・分析し、わかりやすくまとめる方法に悩む担当者は少なくありません。本記事では、基本的な集計手法から集計結果をまとめる具体的な手順、効果的な分析方法まで詳しく解説します。可視化のポイントや注意点も確認できるため、調査結果の活用方法を検討する際の参考になります。
- この記事でわかること/解決できること
-
- アンケート結果の集計方法と分析の進め方がわかる
- 単純集計やクロス集計を活用した分析手法を理解できる
- アンケート結果から課題や顧客ニーズを読み取る方法を確認できる
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アンケート結果の集計方法
アンケート結果の集計方法は、分析目的に応じて選択します。代表的な方法には単純集計、クロス集計、自由記述集計があります。
単純集計
単純集計とは、設問ごとの回答数や割合を集計する基本的な分析方法で、GT(Grand Total)集計とも呼ばれます。アンケート全体の傾向を把握する際は、まず単純集計を行います。全体としての回答傾向や概要をスピーディに把握する際に適しています。
※参考:総務省統計局 なるほど統計学園 12 問題の解決 3. データの収集
クロス集計
クロス集計とは、複数の設問や属性を組み合わせて比較する分析方法です。回答者属性ごとの違いを分析する際に活用します。年齢や性別などの属性データと回答内容を組み合わせることで、属性ごとの傾向の違いや特徴を明確にできます。ターゲット層ごとのニーズの違いを深く理解したい場面や、より具体的な分析を行いたい際に効果を発揮します。
自由記述集計
自由記述集計とは、文章で書かれた回答を整理・分析する方法です。数値では把握できない意見や要望を分析する際に活用します。おもな手法には、文章データから頻出語や傾向を抽出するテキストマイニングと、自由記述回答を内容ごとに分類して集計するアフターコーディングがあります。テキストマイニングツールで頻出単語や感情表現を抽出したり、回答内容をカテゴリー化したりすることで、選択肢では拾いきれない具体的な意見や潜在的な課題を把握できます。
アンケート結果のおもな集計方法を比較すると、以下のとおりです。
| 集計方法 | 集計・分析する内容 | 適している目的・場面 | おもな手法・例 |
|---|---|---|---|
| 単純集計 | 設問ごとの回答数や割合 | アンケート全体の傾向や概要をスピーディに把握する場合 | 全回答者の回答数・割合を設問ごとに集計する |
| クロス集計 | 複数の設問や回答者属性を組み合わせた結果 | 年齢・性別など、属性ごとの傾向やニーズの違いを確認する場合 | 属性データと回答内容を掛け合わせて比較する |
| 自由記述集計 | 文章で書かれた意見・要望・課題 | 選択肢では把握しにくい具体的な意見や潜在的な課題を確認する場合 | テキストマイニング、アフターコーディング |
アンケートの結果をまとめる手順

アンケート結果は「目的設定 → 調査設計 → 実施 → 集計・分析」の流れで整理します。
1. アンケートの目的を明確にする
アンケート結果を活用するためには、最初に調査の実施目的を明確にすることが重要です。何のためにデータを集めるのかというゴールが定まっていないと、集計作業自体が形骸化する恐れがあります。明確な指標を設定しておけば、集計後の分析を円滑に進めることができます。
2. アンケートの内容や手法を決める
調査目的に応じて、設問内容と集計手法を決定します。定量調査と定性調査のどちらを主体にするか、単一回答や複数回答をどのように組み込むかなどの設計を行います。集計作業を見据えた適切な設問形式を選択しておくことが、データの扱いやすさに直接影響を与える重要なポイントです。
3. 調査票・アンケートを作成する
正確な集計結果を得るためには、回答しやすい調査票を設計することが重要です。決定した構成に基づき、誤解を生みにくい丁寧な表現で調査票を作成します。回答者が直感的に理解できるよう、選択肢の重複や漏れがないよう配置を考慮します。集計時に集計エラーやノイズが発生しないよう、選択肢の並び順や必須項目の設定など、事前テストを重ねて細部まで調整を行います。
4. アンケートの実施・集計・分析をする
アンケート実施後は、集計と分析を行い、次の施策へ活用します。回答を回収したら、単純集計やクロス集計などの手法を用いてデータを数値化します。データクリーニングとは、誤入力や欠損データを整理し、分析可能な状態へ整える作業です。回収データに不備がないかデータクリーニングを行い、正確な集計を実施したうえで分析に進みます。得られた結果から、商品やサービスに対する評価やニーズ、改善につながる課題やヒントを整理し、今後の施策検討に活用します。
アンケートの結果を分析する方法

アンケート分析では、全体傾向・属性別比較・設問間の関連性を確認します。多角的に分析することで、課題や傾向を把握しやすくなります。
回答全体の傾向を確認して調査結果を要約する
分析の第一歩は、回答全体の傾向を把握することです。設問ごとに全回答者の回答を集計し、構成比や平均値などを算出します。単一選択、複数選択、数値入力といった設問形式ごとに全体データを集計し、全体の回答比率や傾向を整理します。この全体の傾向の把握によって、次の分析ステップへの明確な視点が得られます。
属性別の違いを比較する
属性別分析を行うことで、ターゲットごとの違いを把握できます。全体の傾向を可視化した後は、性別や年代、居住地域、利用頻度といった回答者の属性ごとにデータを切り分けて比較します。属性ごとに回答結果を分類してクロス集計を行うことで、特定のターゲット層が示す固有の傾向やニーズが浮かび上がります。属性ごとの差異を詳細に把握することは、ターゲットを絞った施策立案に役立ちます。
回答の関連性を分析する
設問間の関連性を分析すると、課題の背景や要因を把握できます。複数の設問を掛け合わせて集計することで、回答者の属性や回答内容による傾向の違いを確認できます。たとえば「顧客満足度」と「再購入意向」の関係を掛け合わせることで、満足度の高さが継続的な購買につながっているかを検証できます。複数の要素を関連付けて分析することにより、課題の背景や施策検討のヒントを得られます。
自由記述から意見や課題を読み取る
自由記述の分析では、数値だけでは把握できない意見や課題を抽出できます。テキストマイニングを活用して高頻度で出現する単語やキーワード同士の結びつきを可視化したり、内容ごとにアフターコーディング(カテゴリ分類)を行ったりします。回答者の生の声や改善につながる気づきを得られる場合があります。
アンケート結果の分析方法を目的別に整理すると、以下のとおりです。
| 分析方法 | 確認する内容 | 分析の進め方 | 施策への活用 |
|---|---|---|---|
| 回答全体の傾向を確認する | 全回答者の回答比率、構成比、平均値など | 単一選択・複数選択・数値入力など、設問形式ごとに全体データを集計する | 調査結果を要約し、次の分析で確認する視点を整理する |
| 属性別の違いを比較する | 性別、年代、居住地域、利用頻度などによる回答の違い | 回答者属性ごとにデータを切り分け、クロス集計で比較する | ターゲット層ごとのニーズを把握し、対象を絞った施策を検討する |
| 回答の関連性を分析する | 複数の設問や回答内容の関係 | 「顧客満足度」と「再購入意向」など、設問を掛け合わせて傾向を確認する | 課題の背景や要因を把握し、マーケティング施策を検討する |
| 自由記述から意見や課題を読み取る | 頻出語、キーワード同士の結びつき、回答内容の分類 | テキストマイニングやアフターコーディングを行う | 回答者の意見、潜在的な不満、改善のヒントを抽出する |
アンケートの結果をわかりやすくするポイント
アンケート結果は、グラフ化と要点整理によって理解しやすくなります。
グラフや表を使ってデータを可視化する
集計結果を伝える際は、グラフや表で可視化することが効果的です。
単一回答には全体割合が直感的に把握できる円グラフや帯グラフを使い、複数回答や数値の比較には棒グラフを用いるなど、データの性質に応じた描き分けが求められます。視覚的に変化や差異を強調することで、複雑なデータであっても一目で理解できるようになります。
調査結果の要点を整理して伝える
調査結果は、数値だけでなく要点や示唆も併せて整理して伝えます。
レポートの冒頭や各セクションの先頭に「全体の約7割が満足と回答」「年代別にニーズの乖離が存在する」といった主要なポイントを明記します。結論を明確に提示することで、読み手が迅速にポイントを把握できます。
回答者数や調査対象を明記する
集計結果には、回答者数(N数)や調査対象、調査時期などの基本情報を記載することが重要です。N数とは、分析対象となる回答者数(サンプル数)を示す指標です。集計されたパーセンテージのみを記載しても、回答者の全体数が不明では数値の妥当性を客観的に判断することができません。グラフや表の周辺には必ず「N=〇〇(回答者数)」を明記し、データの客観性と根拠を正確に示します。
※参考:総務省統計局 なるほど統計学園 12 問題の解決 3. データの収集
アンケートの結果をまとめるときの注意点
アンケート結果をまとめる際は、個人情報保護・回答の偏り・先入観による解釈に注意します。
個人が特定される情報に配慮する
アンケート結果を共有する際は、個人が特定される情報を除外します。名前や詳細な住所はもちろん、年齢や職業、部署名などの属性情報を組み合わせることで個人の特定につながる恐れがあります。データを公開・共有する前に匿名化処理を行うことが重要です。
※参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)| 個人情報保護委員会
アンケートの回答に偏りがないか確認する
サンプリングバイアスとは、回答者に偏りがあり、結果が母集団を正しく反映しない状態を指します。分析前には、回収したサンプルに回答者の偏りがないかを確認します。特定の性別や年代、顧客層からの回答のみが多く集まってしまうと、全体の傾向を正しく反映していない数値となる危険性があります。母集団の構成比と比較を行い、偏りを意識した分析を進めます。
誘導的な質問・解釈を避ける
アンケート結果の分析では、先入観による解釈を避けることが重要です。自社にとって都合のよい数値のみを強調したり、設問の文脈を無視した結論を導き出したりすると、調査結果自体の客観性や信頼性が大きく損なわれます。得られた数値を先入観を持たずに確認する姿勢が求められます。
まとめ
アンケート結果を正しくまとめて活用するには、目的の明確化から集計・分析、報告資料の作成までの一連の手順を丁寧に進めることが重要です。客観的なデータを根拠として、課題解決やサービス改善に向けた次のアクションへつなげていくことが求められます。
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